太陽光発電技術とその普及

太陽光発電技術はどこまで進んでいるか

 

『太陽光発電技術』と一口に言っても、関連技術は様々です。

まずは、どのような『材料』を使うかの問題があります。
また、どのような『製造方法』で行うかの問題があります。
さらには、どのようなユニットすなわち、『モジュール』とするかの問題があります。 

その他に、太陽光で発電した電気を蓄える蓄電池技術や

自動車等への応用技術等も関わってきます。

 

『材料』としてのシリコン

シリコン(Si)というのは、元素としては、

一番外側に4つの電子があるダイヤモンド構造という安定した構造を持ちます。

 

そして、N型の半導体(負(Negative)の電荷を持つ自由電子を

キャリアとする半導体)を作るためには、

4より電子が1つ余っている(つまり、一番外側の電子の数が5である)

元素が必要となり、そのような元素としてリン(P)が選ばれています。


また、逆に、P型の半導体(正(Positive)の電荷を持つホールを

キャリアとする半導体)を作るためには、

4より電子が1つ足りない(つまり、一番外側の電子の数が3である)

元素が必要となり、そのような元素としてホウ素(B)が選ばれています。

 

「結晶シリコン」とは、

シリコンの原子が規則正しく整列しているシリコンであり、

「アモルファスシリコン」とは、

結晶シリコンの構造がランダムになっているものをいいます。

そして、そもそも「シリコン」とは、ケイ素(Si)という原子番号14の元素で、

地殻中に豊富に(日本にも)存在すると言われていますが、

採掘等コストの関係から、コストの安い中国を中心に生産、輸入されています。

ちなみに、太陽電池用ポリ(多結晶)シリコンは、

いくつかのメーカーはポリシリコンの生産能力を拡大するとされており、

供給過剰が続く見通しと言われております。

 

シリコンについては、原料精製の方法、結晶を作製する方法、

インゴットをスライスする方法等について、

量産化・低コスト化等について技術開発が進んでいます。

一般に、結晶シリコンは変換効率は高いが高価、

アモルファスシリコンは、変換効率は低いが安価とされており、

これからの課題としては、結晶シリコンの低コスト化と

アモルファスシリコンの高変換効率化がポイントとなってきております。

 

また、単結晶とアモルファスを組み合わせたもの(HIT)や

多結晶とアモルファスを組み合わせたもの(ハイブリッド)も出てきています。

変換効率の追求

変換効率が8%のモジュールでも値段が16%のモジュールの半分以下であれば、

安価なモジュールを2つ設置すればいいのではないかと

思う方がいるかもしれません。

経済合理性で言えばまさにその通りですが、問題は屋根なのです。

 

一般に住宅自体が小さく屋根の設置面積が限られており、

かと言って広い敷地や庭もない日本の住宅事情においては、

小さな設置面積で可能な限り多くの電力をえたいという需要が必然的に生じます。

ですので、変換効率の追求競争はますます進んでいくものと考えられます。

 

また、一般に単結晶は高い変更効率ですが、高コストが指摘されているところ、

このコストは原材料費のみならず、人件費や製造のための電力コストも

影響してきています。

ということは、人件費その他の製造コストが安い地域で

単結晶シリコンを製造すればいいのではと考えるのは自然なことで、

現に安価な単結晶シリコンが海外から入ってくるという状況が生じています。

シリコンでなくては駄目なのか(化合物系太陽電池)

シリコンは、その外側の電子が4つという安定した結合構造をもつと述べました。

すると、シリコン元素2つでは外側に8つ(4×2)の電子があることになります。

 

とすると、たとえば、外側に3つの電子があるガリウム(Ga)と、

5つの電子があるヒ素(As)を組み合わせれば、

同じ8つ(シリコン×2に相当)になるので、

これもシリコンの代わりになるのではないかな、とふと思われるかもしれません。

その通りで、これもなります。

 

また、同様に、8の倍数になるような電子の組み合わせから、

化合する元素をアレンジすることができます。

これが化合物系太陽電池と呼ばれるものです。

例えば、GaAs電池は変換効率が高いですが、

一般的には高価であると言われています。

有機系太陽電池

シリコンや化合物半導体に対して、

光電変換層に有機化合物を用いる太陽電池があります。

 

特に、色素増感型太陽電池は、

材料が安価であることと作製に大掛かりな設備を必要としないことから、

低コストの太陽電池として注目されています。

本電池の課題はなんといっても高い変換効率達成のための安定した技術の確立です。

 

本電池の原理はさほど複雑なものではなく、

光電極(導電性ガラス板に二酸化チタン粉末を焼き付け色素を吸着させた電極)と

対極(導電性ガラス板の対極)、

これらにより挟まれている電解質溶液からなります。

量子ドット太陽電池

量子ドットとは、その名のとおり、

直径が数nmという極めて小さなナノ結晶構造のことです。

この量子ドットに光が当たるとそのエネルギーにより、

励起子(クーロン力によって束縛された電子とホールのペア)が

発生する量子効果を用いた発電方法です。

 

近時、理論変換効率は75%に達するという計算効果が公表され、

話題になっていましたが、具体的な実用化については、

まだまだ先は長そうな気がします。

 

 

 

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