商標(トレードマーク)とは、文字、図形、記号等または
これらの組み合わせであって、商品の生産者やサービスの提供者が
自社の商品等であることを示すためのものを言います。
ですので、商標が顧客吸引力を発揮するか、
すなわちブランドであるかどうかを問わず、商標は商標です。
また、我が国には商標を特許庁という機関で審査して登録するシステムがあり、
登録されれば「登録商標」になりますが、
登録されていなくても商標は商標なのです。
商標登録のメリット
■メリット1:独占権の確保
各市町村にある法務局へ登録する商号とは異なって、
商標権は日本に一つだけしかない特許庁へ登録するものです。
そのため、日本国内では貴社だけが、貴社の登録商標を使用することができます。
従いまして、
① 貴社の登録商標を他人が使用し、または使用しようとしている場合には、
当該使用を差し止めすることができます。
② また、他人が貴社の登録商標を使用することで、貴社が損害を被った場合は、
損害賠償を請求することができます。
③ さらに、貴社の登録商標を使用した者は、商標権を侵害しているため、
懲役又は罰金に処される可能性がありますし、
貴社の登録商標を使用した者が、法人の代表者、使用人、従業員などの場合は、
その法人に対して、罰金が処される可能性があります。
■メリット2:貴社が他者の商標権を侵害ないことの担保
貴社が使用している商標を特許庁へ登録するということは、
日本国内で使用する権限が貴社以外に認められないということですので、
使用の度に、他人の商標権を侵害していないかチェックする必要がありません。
なお、万が一、貴社が他人の商標権を侵害してしまうと、
上記「メリット1」に述べたような民事・刑事の制裁があります。
■メリット3:他人の商標登録の排除
今のうちに商標登録しておくことにより、
将来、他人が商標登録することを防止できます。
現在は、誰も商標登録しておらず、他人の商標権を侵害することなく
自由に商標を使用することができていても、将来、
他人が商標登録を先取りしてしまうおそれがあります
(商標法では先願主義といって先に出願した者が優先されます)。
かなり大きく展開している会社の商号や事業に関して、
商標登録していないことを奇貨として、
関連する商標を先取り的に登録してしまい、警告状を送りつけて、
高額なライセンス料や譲渡料をせしめるケースが少なくありません
(いわゆる商標ブローカー)。
商標登録制度
登録主義
商標登録を受けるためには、特許庁に出願をすることが必要ですが、
出願しただけでは足りず、さらに、審査をパスしなければなりません。
そして、出願された商標に不登録(拒絶)事由があれば登録されません。
拒絶理由には様々なものがありますが、
主な拒絶理由としては次のようなものがあります。
1 すでに同一又は類似の商標登録・商標出願がある。
2 ありふれた氏・名称である。
3 商品等の普通名称・産地表示・内容表示に過ぎない。
商標登録の費用(概説)
第1 商標登録出願をするのに必要な費用は、以下の通りです。
1 先願調査
ご希望の商標が既に登録されていないか本格的に調査する費用です。
1商標(マーク)につき、2万円
2 商標登録出願手数料(対特許庁費用)
出願の際に、願書に貼る印紙代です。
*商標登録出願は、商標の使用する一又は二以上の商品
又は役務(区分)を指定して、
商標ごとにしなければなりません(商標法6条)。
出願手数料は、区分の数に応じて異なります。
3,400円 +(区分数× 8,600円)
3 出願に関する弁護士報酬
50,000円(1区分の場合。)
*他区分にわたる場合には、2区分目からは、
1区分につき、42,000円かかります。
第2 商標登録をするのに必要な費用は、以下の通りです。
1 登録料(対特許庁費用)
登録について拒絶理由が発見できない場合、
登録査定の謄本が送達されてきます。そして、
下記の登録料が納付されると、特許庁で、商標権登録の設定がなされます。
金37,600円(1区分の場合)
*他区分にわたる場合は、2区分目からは、
1区分につき、37,600円かかります。
2 登録手数料(弁護士事務所手数料)
金15,000円(1区分の場合)
*他区分にわたる場合は、2区分目からは、
1区分につき、15,000円かかります。
第3 手数料ほか雑費
特許庁において、郵便切手代等雑費です。
1商標(マーク)につき、1万円…⑥
第4 中間手数料
特許庁からの拒絶理由通知に対して、
意見書・補正書を提出するための費用
1件(マーク)について金76,000円
※拒絶理由通知がなされず、登録査定がなされた場合には
上記費用は不要です。
第5 審判・訴訟
特許庁からの拒絶査定に対して、不服審判、訴訟を行うための費用
協議によって定める。
※拒絶理由通知に対して、
意見書等を提出しても拒絶査定がなされた場合、
当該拒絶査定に対して不服審判を請求することができ、
当該不服審判においてもさらに拒絶審決がなされた場合には、
訴訟を提起することができます。
それぞれの費用は事案によりますので、これは協議により決めさせて頂きます。